今年の夏は天候不順ですが、朝夕蝉(セミ)の声が疲れた?心を癒してくれます。 ご存知の方も多いと思いますが、蝉は長年地中で過ごし、成虫になると長い間生きられません。よく3日から1週間程度と言われてますが、調べてみたら実際は1ヶ月程生きているのだそうです(こんなこと重要ではないのですが、それでも1週間の命が1ヶ月に延びたことは、私の中でとても嬉しいことなので書きました)。 読者の方には虫が苦手な方もおられると思いますが、以前のブログでも書きましたが、蝶と同じ、他者を攻撃する武器を持たない蝉は、私にとって子供の頃から大切な友達なのです。 ところで、昨日朝歩道の中央に蝉が仰向けになって落ちていました。傷跡がなく、蟻も寄っていません。まだ生きていると直感し、指で触ると元気に脚を動かします。両手で蝉をそっと包み、近くの梅の木に移しました。蝉は、もう飛ぶ力はないけれど、頑張って枝にしがみついていました。 今年の夏は不思議な年で、3週前にも同じ経験をしました(そのときは蝉はもっと弱っていたので、近くのローズマリーの葉のふかふかベッドに載せました)。さらにその1週前、庭のバケツの底に蝉の幼虫が落ちていた(何故でしょう)ので、梅の木にしがみつかせました。この幼虫は数日後梅の木を見たら、抜け殻が付いていました。 私が手を差し伸べた蝉は生きて1日でしょう。無駄な行為と思われる方も多いと思います。でも。。。 私のこの感覚は子供の頃から同じで、なんとなく悲しみ感が強く、いつか消えて無くなる(消えて欲しい)感覚と思っていました。 医師に成り立ての頃、生まれる命に興味を持ち、その分野に進もうと思うこともありましたが、病に苦しむ、時には私の力は無力でお看取りに至る患者様との出会いは、私を自然に方向転換させることになりました。 今年は高校時代の親友が癌で亡くなりました。突然で、葬儀にも参加できませんでした。今年くれた年賀状をこのパソコンの机の上に置いて、毎朝読み、声をかけています。 蝉の声が聞こえる季節は、先立たれた患者様との距離がとても近くなり、素直に心の中でお話しています。 ひょっとしたら、先ほどの蝉さんたちは、患者様たちかもしれませんね。。。 神様は信じていないのですが、こんな時はお願いする自分がいます。
2017-08-25 06:07:00
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